LEVEL 13 自動化への第一歩 上級
Lesson 100

100Excel完走!

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100Excel完走!

100Excel、完走おめでとうございます。

ここまで本当に、長い道のりでした。お付き合いいただき、心から感謝します。

100本目は、Excel のレッスンではありません。講師である私から、皆さんへの手紙 のような回として書かせてください。


まずは Excel で、人生の時間を計算してみる

100Excel の最初のほうのレッスン005で、シリアル値 の話をしました。覚えていますか?

「Excel の中では、日付は数字(シリアル値) として扱われている」というお話でした。たとえば「2026/5/25」は、Excel の内部では「46167」という数字です。

レッスン005では簡単に流しましたが、新人研修でしている話をここでご紹介しましょう。

たとえば、80歳まで生きるとして、自分にあと何日残っているか を、Excel で計算できます。

=DATE(誕生年+80, 誕生月, 誕生日) - TODAY()

私の場合、1981年10月22日生まれなので、

=DATE(2061, 10, 22) - TODAY()

これを計算すると、ざっと13,000日くらい

13,000日もある」と感じるか、「もう13,000日しかない」と感じるか。これは、人によって違うと思います。


時間は有限

私が 30代の頃まで、こんな計算をしたことはありませんでした。「時間は無限にある」とは思っていなかったけれど、残り日数を数字で見たこともなかった

数字で見ると、急にリアルになります。

1日24時間。睡眠を8時間、仕事を8時間とすると、自分の時間は8時間。それが13,000日。約10万時間

その10万時間で、何をするか。何をしないか。

100Excel を最後まで進めてくださった皆さんは、自分の時間を、自分のスキルを高めることに使った人 です。それは、本当に素敵なことだと思います。


「海の流れ」の話

ちょっと、たとえ話をさせてください。

人生は、広い海 に似ているなと思うことがあります。

海には 流れ があります。流れに沿って泳げば、楽に遠くまで進めます。同じ力で泳いでも、流れに逆らえば、ほとんど前に進めません。それどころか、後ろに流される。

元競泳選手ですが、現役時代のスピードで泳いでも海の流れに逆らうことはできません。

つまり、頑張っているのに、進んでいない。そういう経験、ありませんか?


私は、29歳まで流れに逆らって泳いでいた

ここから、少し私の話をさせてください。

29歳まで、私は「小説家になりたい」と思って、生きていました。

書いては送り、書いては送り、けれども結果は出ない。気がつくと貯金がゼロ。両親には、本当に心配をかけたと思います。

最終的には、親に 10万円を借りて 就職活動を始めました。30歳手前にして、自分の進む道を、ようやく考え始めたわけです。

だから、20代で就職をしたことがなかったんですね。友達は結婚して、家も買い、車も買い、子供も生まれてと、どんどんズレていきました。まあ、メンタル的にはどうしようもなかったですよ。

そのときに見つけたのが、「未経験OK」の職業訓練講師 という仕事でした。


ロータス123 世代との闘い

採用された当時、私は MOS 試験の内容すら知らない状態 で、Excel 講師として登壇していました。テーブルとは何の機能なのかも分からず、テキスト通りに進めるだけ。

受講生も知らず、私も知らない。今となっては、なんて恐ろしい講座をしていたんだと思います。

ただ、楽しかったんですね。

それまで、飲食店のアルバイトがメインだったので、講師業は仕込みをしなくていい、洗い物をしなくていい。先生が終わるといったらすぐ終わり。それが快感だったわけです。

それでも、同じ基礎を 何十回と繰り返して教えるうち に、不思議と覚醒していくものでした。「あ、テーブルってこういう意味だったのか」「VLOOKUP はこういう使い方ができるのか」と、教えながら自分が学んでいく感覚がありました。

その後、職業訓練校の制度変更で、就職した会社も閉鎖。また路頭に迷いました

でも、何十回と教えてきた経験で、「フリーでもやっていけるかもしれない」という直感がありました。

しかし、Excel 講師業界には、ロータス123 時代から続く重鎮 がいます。サブ講師からのスタートで、なかなか上に行けない世界。その中で 差別化するために、統計学を学び、データサイエンスの世界に入りました。

2015年に 書籍を1冊出版 したことが、講師としての「」になり、ようやく波に乗ることができました。


講師業は、流れに乗っていた

不思議だなと思うのは、小説家を目指していた頃は、どれだけ頑張っても結果が出なかったのに、講師業はとんとん拍子で進んだ ことです。

最初は「未経験OK」で拾ってもらった仕事。なのに、続けるうち、教えるのが楽しくなり、生徒さんから感謝され、書籍まで出せた。

これが、流れに乗っている状態 なんだと思います。


実は逆らった時間も、無駄じゃなかった

ここからが、お伝えしたい大事な話です。

小説家を目指した10年は無駄だったのか」と聞かれることがあります。

答えは、「いいえ」 です。

書き続けた経験のおかげで、私は 文章を書く力 が身についています。100Excel のレッスン記事も、書籍も、ブログも、すべて「読みやすい文章を書く」という、あの10年で身につけた力で書いています。

流れに逆らっていた時間も、まったく別の道で、必ず何かを残してくれている

人生で、本当に無駄な経験は、たぶん1つもないんだと思います。


そもそも、ずっと流れに乗ることはできない

そして、もう1つ。

流れに乗り続けることはできない」ということも、最近強く感じます。

海の流れは変わります。今、追い風だと思っていても、明日には逆風になっているかもしれない。Excel の世界も、いま大きく変わっています。生成AI が登場し、データ分析の方法が変わり、求められるスキルも変わっていく。

その中で大事なのは、「逆らうことも、流れに乗ることも、両方できる柔軟性」 なのだと思います。

逆らう時期は、たくさん学んで、力を蓄える。流れが来たら、それに乗って、遠くまで運んでもらう。両方の経験が、人生には必要 なんです。

フリーランスも10年目を迎えたとき、この感覚だけはかなりついたと思います。


Excel が、私の人生の原点

100Excel をなぜ作ったのか。

動画教材、オンライン教材、生成AI ── 学ぶ手段はいくらでもある時代です。便利すぎる時代です。

それでも私は、ゆっくり時間を使って、Excel というデータの世界を、対面で教えたい と思い続けています。コストはかかります。時代に逆行しているかもしれません。

でも、データを自分の手で調理する体験 は、画面の向こうから動画を流し見しているだけでは、絶対に身につかないものがあります。

そのためにも、対面式で指導している自分の指導内容をアウトプットしておきたかったのです。今後もブレないように、という意味も込めています。

そのアウトプットを読んでもらって、皆さんのExcelスキルの向上に役立つのであれば、それこそが社会貢献というものでしょう。そして私の存在意義も明確になります。


100Excel は、標準スキルです

この100本でカバーしたのは、すべて「Excel の標準スキル」です。特別なテクニックではなく、誰もが知っておいて損のない、Excel を扱う上での当たり前 です。

ここまで身についていれば、これから先、

  • データベースを学ぶときも
  • Python を学ぶときも
  • 生成AI を仕事に取り入れるときも

すべて、この100本が土台になるはずです


最後に

29歳まで売れない小説家だった私が、職業訓練講師から始めて、今こうして100Excel というコンテンツを作っているのは、1つの確信 があるからです。

それは、

いつでも、誰でも、ここまでのスキルは身につけられる

ということ。

年齢も、経歴も、関係ありません。流れに逆らった時間も、流れに乗った時間も、すべてが今のあなたを作っています

その上で、Excel というツールを通して、データを扱う力 を手に入れていただけたなら、私が10年間「無駄だった」と思っていた時間まで含めて、全部に意味があった と思えます。

100Excel、本当にお疲れさまでした。

これからの皆さんの旅が、流れに乗る時も、逆らう時も、ずっと豊かなもの でありますように、私もこの殺伐した時代を生き抜いていきます。


小樽駅
小樽駅

Excel 講師 榊 裕次郎

— FINAL LESSON —
100Excel、完走おめでとうございます!
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