SUMIFS関数について
前回の SUMIF関数は 条件1つ で集計しましたが、実務では「複数の条件を組み合わせたい」というシーンも多いです。
- 「営業部」かつ「東京勤務」の人の給与合計
- 「2025年5月」かつ「お客様A」の売上合計
- 「男性社員」かつ「30歳以上」の人の給与合計
このような 複数条件付き集計 ができるのが、SUMIFS関数(サムイフス関数) です。
「IFS」の「S」は、複数形の「s」。つまり「複数の条件」を意味します。前回の SUMIF が分かっていれば、その発展形としてスッと入ってきますよ。
SUMIFS関数の構文
=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
ここが最大の注意点です。SUMIF関数と 引数の順番が違います。
- 合計範囲が最初(SUMIFは最後でした)
- その後に、条件範囲と条件のペアを並べていく
- 条件はいくつでも追加できる(最大127組)
「合計したいものを最初に言う。あとは『どこを見て、何を探すか』をペアで並べる」と覚えてください。
具体例で見てみる
前回の社員データに「勤務地」列を足して、少し拡張します。
:::excel
A1=社員名
B1=部署
C1=勤務地
D1=給与
A2=田中
B2=営業部
C2=東京
D2=300000
A3=鈴木
B3=人事部
C3=東京
D3=280000
A4=佐藤
B4=営業部
C4=大阪
D4=350000
A5=山田
B5=経理部
C5=東京
D5=320000
A6=高橋
B6=営業部
C6=東京
D6=330000
:::
ここから「営業部 かつ 東京勤務」の給与合計を出したいとき、こう書きます。
=SUMIFS(D2:D6,B2:B6,"営業部",C2:C6,"東京")
「営業部」の人は田中・佐藤・高橋の3人。
そのうち「東京勤務」なのは田中(300000)と高橋(330000)。佐藤は営業部ですが大阪なので除外。
結果は 630000 です。
引数の意味を読み解くと、
- 合計範囲:D2:D6(給与列)
- 条件範囲1 + 条件1:B2:B6 の中で「営業部」
- 条件範囲2 + 条件2:C2:C6 の中で「東京」
両方の条件を満たすものだけ が、合計されます。条件を足すほど、対象がどんどん絞り込まれていくイメージです。
実際のExcel画面のキャプチャも載せておきます。



SUMIF と SUMIFS の引数の順番に注意
ここが本当に混乱ポイントなので、表で並べます。
| 関数 | 1番目 | 2番目 | 3番目 |
|---|---|---|---|
| SUMIF | 範囲 | 条件 | 合計範囲 |
| SUMIFS | 合計範囲 | 条件範囲 | 条件 |
SUMIF と SUMIFS で、合計範囲の位置が違います。 SUMIFは最後、SUMIFSは最初。
「なんで揃えてくれなかったんだ」と Excel に文句を言いたくなる場面ですが、Excelの初期からあるSUMIF関数。データ量が多くなってきてSUMIFS関数が後に誕生した、という経緯があります。
当初は複数条件で足し算をする、なんて想定されてなかったんですよね。
SUMIF と SUMIFS どっちを使うべき?
ひとつ実用的な割り切りをお伝えすると、実務では SUMIFS のほうがよく使う ので、最初から SUMIFS だけ覚える のもアリです。
条件が1つだけのときも SUMIFS で書けば、引数の順番で迷いません。また、追加があったときも数式の編集が楽ですからね。
比較演算子・ワイルドカードも使える
SUMIF と同じく、SUMIFS でも比較演算子やワイルドカードが使えます。ここでは日付の範囲指定を見ていきましょう。
例えば、月別・部署別の経費を管理しているシートがあるとします。A列が日付、B列が部署、C列が項目、D列が金額です。
:::excel
A1=日付
B1=部署
C1=項目
D1=金額
A2=2025/4/28
B2=営業部
C2=交通費
D2=3200
A3=2025/5/2
B3=営業部
C3=交通費
D3=1800
A4=2025/5/10
B4=人事部
C4=交通費
D4=2600
A5=2025/5/12
B5=営業部
C5=会議費
D5=8000
A6=2025/5/22
B6=経理部
C6=交通費
D6=4100
A7=2025/5/30
B7=営業部
C7=交通費
D7=3700
A8=2025/6/3
B8=営業部
C8=交通費
D8=2900
:::
「2025年5月 かつ 交通費」を計算したいとき、
=SUMIFS(D2:D8, A2:A8, ">=2025/5/1", A2:A8, "<=2025/5/31", C2:C8, "交通費")
日付の範囲指定(5/1以上 かつ 5/31以下)で「5月」を表現し、さらに部署と項目で絞り込む。
条件4つの組み合わせですが、SUMIFS は 何個でも条件を追加 できるので、柔軟に対応できます。
該当するのは5/2(1800)、5/10(2600)、5/22(4100)、5/30(3700)の4件。結果は 12200 です。4/28と6/3は5月の範囲外で除外、5/12は5月ですが「会議費」なので除外されます。3つの条件すべてに当てはまるデータだけが残る、という動きが見えますね。
- ">=2025/5/1"
- "<=2025/5/31"
不等号入りの日付条件は、ダブルクォーテーションで囲むのがポイントです。
また、ワイルドカードについては、SUMIF関数で記述した通りとなりますので、説明は割愛します。
条件にセル参照を使う
前回のSUMIFと同じく、条件を別セルに書いておくと、見直しが楽になります。
:::excel
A1=社員名
B1=部署
C1=勤務地
D1=給与
A2=田中
B2=営業部
C2=東京
D2=300000
A3=鈴木
B3=人事部
C3=東京
D3=280000
A4=佐藤
B4=営業部
C4=大阪
D4=350000
A5=山田
B5=経理部
C5=東京
D5=320000
A6=高橋
B6=営業部
C6=東京
D6=330000
A8=営業部
B8=東京
:::
=SUMIFS(D2:D6,B2:B6,A8,C2:C6,B8)
A8に「営業部」、B8に「東京」と書いておき、それを条件に参照します。
A8とB8を変えるだけで、集計対象が変わります。
プルダウン(レッスン015)と組み合わせる と、選ぶだけで集計内容が切り替わる「プチダッシュボード」が作れます。
前回学んだ「セル参照でシミュレーション」の、複数条件版ですね。
まとめ
- SUMIFS関数で、複数条件の合計
- 構文:=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
- 引数の順番は 合計範囲が最初(SUMIFと逆)
- 条件は最大127組まで追加可能
- 比較演算子、ワイルドカード、セル参照、すべて使える
- 実務では SUMIF より SUMIFS をおすすめ
条件付き集計の「合計」系は、これで完成です。
次は「個数を数える」条件付き関数、COUNTIF / COUNTIFS に進みます。考え方は今回とほぼ同じなので、ここを押さえておけば楽に進めますよ。
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