LEVEL 4 計算の基礎を固める 中級
Lesson 042

SUMIFS関数について

練習用Excelファイル lesson042-practice.xlsx

練習用ファイルは、パソコンからダウンロードしてください。

SUMIFS関数について

前回の SUMIF関数は 条件1つ で集計しましたが、実務では「複数の条件を組み合わせたい」というシーンも多いです。

  • 営業部」かつ「東京勤務」の人の給与合計
  • 2025年5月」かつ「お客様A」の売上合計
  • 男性社員」かつ「30歳以上」の人の給与合計

このような 複数条件付き集計 ができるのが、SUMIFS関数(サムイフス関数) です。

IFS」の「S」は、複数形の「s」。つまり「複数の条件」を意味します。前回の SUMIF が分かっていれば、その発展形としてスッと入ってきますよ。


SUMIFS関数の構文

=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)

ここが最大の注意点です。SUMIF関数と 引数の順番が違います。

  • 合計範囲が最初(SUMIFは最後でした)
  • その後に、条件範囲と条件のペアを並べていく
  • 条件はいくつでも追加できる(最大127組)

「合計したいものを最初に言う。あとは『どこを見て、何を探すか』をペアで並べる」と覚えてください。


具体例で見てみる

前回の社員データに「勤務地」列を足して、少し拡張します。

:::excel
A1=社員名
B1=部署
C1=勤務地
D1=給与
A2=田中
B2=営業部
C2=東京
D2=300000
A3=鈴木
B3=人事部
C3=東京
D3=280000
A4=佐藤
B4=営業部
C4=大阪
D4=350000
A5=山田
B5=経理部
C5=東京
D5=320000
A6=高橋
B6=営業部
C6=東京
D6=330000
:::

ここから「営業部 かつ 東京勤務」の給与合計を出したいとき、こう書きます。

=SUMIFS(D2:D6,B2:B6,"営業部",C2:C6,"東京")

「営業部」の人は田中・佐藤・高橋の3人。

そのうち「東京勤務」なのは田中(300000)と高橋(330000)。佐藤は営業部ですが大阪なので除外。

結果は 630000 です。

引数の意味を読み解くと、

  • 合計範囲:D2:D6(給与列)
  • 条件範囲1 + 条件1:B2:B6 の中で「営業部
  • 条件範囲2 + 条件2:C2:C6 の中で「東京

両方の条件を満たすものだけ が、合計されます。条件を足すほど、対象がどんどん絞り込まれていくイメージです。

実際のExcel画面のキャプチャも載せておきます。

関数ライブラリ
関数ライブラリ

SUMIFS関数の引数ダイアログ
SUMIFS関数の引数ダイアログ

引数ダイアログ拡大
引数ダイアログ拡大


SUMIF と SUMIFS の引数の順番に注意

ここが本当に混乱ポイントなので、表で並べます。

関数1番目2番目3番目
SUMIF範囲条件合計範囲
SUMIFS合計範囲条件範囲条件

SUMIF と SUMIFS で、合計範囲の位置が違います。 SUMIFは最後、SUMIFSは最初。

なんで揃えてくれなかったんだ」と Excel に文句を言いたくなる場面ですが、Excelの初期からあるSUMIF関数。データ量が多くなってきてSUMIFS関数が後に誕生した、という経緯があります。

当初は複数条件で足し算をする、なんて想定されてなかったんですよね。


SUMIF と SUMIFS どっちを使うべき?

ひとつ実用的な割り切りをお伝えすると、実務では SUMIFS のほうがよく使う ので、最初から SUMIFS だけ覚える のもアリです。

条件が1つだけのときも SUMIFS で書けば、引数の順番で迷いません。また、追加があったときも数式の編集が楽ですからね。


比較演算子・ワイルドカードも使える

SUMIF と同じく、SUMIFS でも比較演算子やワイルドカードが使えます。ここでは日付の範囲指定を見ていきましょう。

例えば、月別・部署別の経費を管理しているシートがあるとします。A列が日付、B列が部署、C列が項目、D列が金額です。

:::excel
A1=日付
B1=部署
C1=項目
D1=金額
A2=2025/4/28
B2=営業部
C2=交通費
D2=3200
A3=2025/5/2
B3=営業部
C3=交通費
D3=1800
A4=2025/5/10
B4=人事部
C4=交通費
D4=2600
A5=2025/5/12
B5=営業部
C5=会議費
D5=8000
A6=2025/5/22
B6=経理部
C6=交通費
D6=4100
A7=2025/5/30
B7=営業部
C7=交通費
D7=3700
A8=2025/6/3
B8=営業部
C8=交通費
D8=2900
:::

2025年5月 かつ 交通費」を計算したいとき、

=SUMIFS(D2:D8, A2:A8, ">=2025/5/1", A2:A8, "<=2025/5/31", C2:C8, "交通費")

日付の範囲指定(5/1以上 かつ 5/31以下)で「5月」を表現し、さらに部署と項目で絞り込む。

条件4つの組み合わせですが、SUMIFS は 何個でも条件を追加 できるので、柔軟に対応できます。

該当するのは5/2(1800)、5/10(2600)、5/22(4100)、5/30(3700)の4件。結果は 12200 です。4/28と6/3は5月の範囲外で除外、5/12は5月ですが「会議費」なので除外されます。3つの条件すべてに当てはまるデータだけが残る、という動きが見えますね。

  • ">=2025/5/1"
  • "<=2025/5/31"

不等号入りの日付条件は、ダブルクォーテーションで囲むのがポイントです。

また、ワイルドカードについては、SUMIF関数で記述した通りとなりますので、説明は割愛します。


条件にセル参照を使う

前回のSUMIFと同じく、条件を別セルに書いておくと、見直しが楽になります。

:::excel
A1=社員名
B1=部署
C1=勤務地
D1=給与
A2=田中
B2=営業部
C2=東京
D2=300000
A3=鈴木
B3=人事部
C3=東京
D3=280000
A4=佐藤
B4=営業部
C4=大阪
D4=350000
A5=山田
B5=経理部
C5=東京
D5=320000
A6=高橋
B6=営業部
C6=東京
D6=330000
A8=営業部
B8=東京
:::

=SUMIFS(D2:D6,B2:B6,A8,C2:C6,B8)

A8に「営業部」、B8に「東京」と書いておき、それを条件に参照します。

A8とB8を変えるだけで、集計対象が変わります。

プルダウン(レッスン015)と組み合わせる と、選ぶだけで集計内容が切り替わる「プチダッシュボード」が作れます。

前回学んだ「セル参照でシミュレーション」の、複数条件版ですね。


まとめ

  • SUMIFS関数で、複数条件の合計
  • 構文:=SUMIFS(合計範囲, 条件範囲1, 条件1, 条件範囲2, 条件2, ...)
  • 引数の順番は 合計範囲が最初(SUMIFと逆)
  • 条件は最大127組まで追加可能
  • 比較演算子、ワイルドカード、セル参照、すべて使える
  • 実務では SUMIF より SUMIFS をおすすめ

条件付き集計の「合計」系は、これで完成です。

次は「個数を数える」条件付き関数、COUNTIF / COUNTIFS に進みます。考え方は今回とほぼ同じなので、ここを押さえておけば楽に進めますよ。


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