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Lesson 028

ユーザー設定のビューについて

練習用Excelファイル lesson028-practice.xlsx

練習用ファイルは、パソコンからダウンロードしてください。

ユーザー設定のビューについて

これは少し玄人向けの機能です。

Excelを長く使ってきた人でも、「知らなかった」という人が多い、隠れた便利機能を紹介します。

ユーザー設定のビュー。シートの 表示状態を「ビュー」として保存 しておく機能です。


どんな機能なのか

たとえば、こんな経験はありませんか。

  • 普段は、ある特定の列を非表示にして、データだけ見たい
  • ただ、月末の集計のときは、すべての列を表示して計算したい
  • 印刷用には、特定の範囲だけ印刷するように設定したい

このように、「シーンによって、シートの見せ方を切り替えたい」 というとき、毎回手動で設定する のは大変です。

ユーザー設定のビュー を使うと、

  • 普段モード
  • 月末モード
  • 印刷モード

このような モード(ビュー)を保存 しておいて、ボタン1つで切り替え られるようになります。


どこにあるのか

リボンの [表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] にあります。

表示タブのユーザー設定のビューボタン
表示タブのユーザー設定のビューボタン


ビューに保存できる情報

ユーザー設定のビューには、以下のような情報が記録されます。

  • アクティブセルの位置
  • 表示している列・行(非表示の状態を含む)
  • ウィンドウ枠の固定の位置
  • ズーム倍率
  • 印刷範囲の設定
  • オートフィルターの抽出条件
  • 改ページの設定

つまり、「シートの見た目に関わるあらゆる設定」 がワンセットで保存される、というイメージです。

まさに「Excelエントロピー増大の法則」に抵抗してくれる、強力なツールです。


ビューの作り方

ステップ0:まず「初期状態」をビューに保存しておく(おすすめ)

これは少しコツのいる話ですが、最初にやっておくと、あとでとても助かる 使い方です。

Excelには「デフォルトのビュー」という名前の専用機能は ありません

そのかわり、何も手を加えていない普通の状態を、いちばん最初に1つのビューとして手動で保存 しておけば、それが「初期状態に戻すためのビュー」として機能します。

なぜこれが大事かというと、列を非表示にしたり、フィルターをかけたりしたあと、「全部表示の、まっさらな状態」に手作業で戻すのは意外と面倒 だからです。あらかじめ初期状態を保存しておけば、ボタン1つで一発リセット できます。

具体的には、

  1. ファイルを開いた直後の、何も操作していない状態 のまま
  2. [表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] > [追加]
  3. 名前を「標準」や「初期状態」などにして保存

これだけです。あとで表示をどう変えても、このビューを選べば、いつでもまっさらな状態に戻れます。

ユーザー設定のビューの追加ダイアログ
ユーザー設定のビューの追加ダイアログ

ステップ1:表示の状態を整える

次に、保存したい状態にシートを整えます。たとえば、

  • C列とE列を非表示に
  • ズーム75%
  • B2でウィンドウ枠を固定
  • 印刷範囲を A1:F30 に設定

このように、保存したい状態を完成させます。

ステップ2:ビューを保存

[表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] > [追加] をクリック。

名前」の欄に、わかりやすい名前を入力します(例:「普段モード」「集計モード」「印刷用」)。

このとき、ダイアログの下にある「印刷の設定」「非表示の行・列およびフィルターの設定」のチェックをオンにしておくと、それらの設定もまとめて保存されます。

OK」をクリックすると、ビューが保存されます。

ビューの名前を入力する画面
ビューの名前を入力する画面

ステップ3:別のモードを作る

同じシートで、別の表示状態に変更します。

  • C列とE列を再表示
  • ズーム100%
  • ウィンドウ枠の固定を解除
  • 印刷範囲をクリア

そして、再び [ユーザー設定のビュー] > [追加] で「集計モード」として保存。

これを繰り返して、必要なだけビューを作成します。


ビューを切り替える

[表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] をクリックすると、保存したビューの一覧が表示されます。

切り替えたいビューを選んで、「表示」をクリック。

すると、シートの状態が一瞬で、保存したビューの状態に変わります。

保存したビューの一覧と表示ボタン
保存したビューの一覧と表示ボタン


ちょっとした実務シーン

経理部の月次集計のシートを作っているとします。

普段は、内部用の計算列(D列、F列、H列)を非表示にして、結果だけ見ています。月末の集計のときは、すべての列を表示して、計算をチェックします。提出用の印刷では、ヘッダー部分と合計だけを印刷します。

これらの設定を、毎月手動で切り替えていたら、面倒です。1分2分のロスでも、毎月発生すると、年間でけっこうな時間になります。

そこで、

  • 「初期状態」 :何も操作していないまっさらな状態(リセット用)
  • 「普段モード」 :内部列非表示
  • 「月末モード」 :すべての列表示
  • 「印刷モード」 :印刷範囲指定、ヘッダーと合計のみ

このようにビューを作っておけば、ボタン1つで切り替え られます。作業で表示が散らかっても、「初期状態」を選べばすぐ元通りです。


ビューの削除と変更

ビューの管理は、[表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] を開いて行います。

  • 削除 :選択したビューを削除
  • 表示 :選択したビューに切り替え

変更」ボタンはありません。ビューの内容を変えたい場合は、既存のビューを削除してから、改めて表示状態を整え、同じ名前で新しく保存し直す流れになります。


注意点

ユーザー設定のビューには、いくつかの注意点 があります。

1. テーブル機能があると、ブック全体で使えない

CSVファイルをインポートしたときを思い出してください。テーブルという特別な表でインポートされました。

まだテーブルについては触れていませんが、表の特別な受け皿として設定する機能が存在します。ブック内に そのテーブル機能 が1つでも使われていると、ブック全体で ユーザー設定のビューが 使えなくなります(特定のシートだけでなく、ブック単位で無効になります)。

[ユーザー設定のビュー] ボタンがグレーアウトしている場合は、この状態を疑ってください。使いたい場合は、テーブルを 「範囲に変換」(テーブル内を選択 > [テーブルデザイン] > [範囲に変換])すれば、ビュー機能が復活します。

2. シートごとに別管理ではない

ユーザー設定のビューは、ブック単位 で保存されます。シートごとに別のビューを保存することはできません。複数シートをまたいで切り替えたい場合は、それぞれのシートの状態を含めた 全体のビュー として保存する形になります。

3. シートの保護中は機能しないことがある

シートの保護が設定されていると、ビューがうまく機能しない場合があります。保護を解除してから操作してください。

4. 共有ブックでは制約がある

複数人で同時編集している共有ブックでは、ビュー機能に制約があります。

5. 不要なビューは削除する

ユーザー設定のビューは「Excelエントロピー増大の法則」を抑制してくれるツールですが、使い終わったビューが乱立して、どれが何のビューかわからなくなることも、実務ではあるあるです。使用していないビューは、適宜削除しておきましょう。


まとめ

  • シートの「見た目」を ビュー として保存・切り替え
  • [表示] タブ > [ユーザー設定のビュー] から操作
  • 非表示列、ズーム、固定、印刷範囲などをまとめて保存
  • 最初に「初期状態」を1つ保存 しておくと、いつでもリセットできて便利
  • テーブル機能があるとブック全体で使えない点には注意

知っている人だけが得をする、地味な裏ワザ的機能。覚えておくと、いざというときに頼りになります。


ショートカット

  • ユーザー設定のビュー:[ALT] → [W] → [C]
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