LEVEL 10 データを「魅せる」グラフ 中級
Lesson 081

条件付き書式について①

練習用Excelファイル lesson081-practice.xlsx

練習用ファイルは、パソコンからダウンロードしてください。

条件付き書式①

前回(レッスン080)のデータバーは、条件付き書式の一種 でした。今回からは、その本丸 ── 条件付き書式 を本格的に扱っていきます。

条件付き書式は、文字通り「条件に合うセルにだけ、書式を付ける」機能です。

  • 目標を超えたセルだけ、緑色に
  • マイナスの数値だけ、赤字に
  • 重複しているデータだけ、黄色に

このように、Excelが自動で色や書式を切り替えてくれる 仕組みを作れます。表のチェックや、レビュー作業が圧倒的に楽になる機能です。

第1弾は、いちばん使う基本パターン ── 数値や文字に対する「以上・以下・含む」などの判定です。

条件付き書式のメニュー
条件付き書式のメニュー


「セルの強調表示ルール」を使う

条件付き書式のメニューを開くと、最初に出てくるのが「セルの強調表示ルール」です。ここに、よく使うパターンが揃っています。

  • 指定の値より大きい
  • 指定の値より小さい
  • 指定の範囲内
  • 指定の値に等しい
  • 文字列を含む
  • 日付
  • 重複する値

ぱっと見て、用途が分かるラインナップですね。


「指定の値より大きい」を試す

:::excel
A1=店舗
B1=売上
A2=東京店
B2=850000
A3=大阪店
B3=620000
A4=名古屋店
B4=450000
A5=福岡店
B5=380000
A6=札幌店
B6=290000
A7=仙台店
B7=520000
:::

売上が60万円を超えた店舗を、色で目立たせたい」というケース。

手順:

  1. B2:B7 を選択
  2. ホームタブ →「条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の値より大きい
  3. ダイアログに 600000 と入力
  4. 書式」で色を選ぶ(既定で赤・緑・黄色など5パターンあり)
  5. OK

結果:B2(東京店 850000)と B3(大阪店 620000)が色付きになります。

60万円超のセルを色付け
60万円超のセルを色付け

60万円以上」ではなく「60万円より大きい」点に注意。60万円ちょうどは含まれません。「以上」と「より大きい」の違い は、レッスン044のIF関数でも触れた話ですね。


「指定の範囲内」を試す

40万円〜60万円の範囲だけ、黄色く塗りたい」というケース。

手順:

  1. B2:B7 を選択
  2. 条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「指定の範囲内
  3. 400000」と「600000」を入力
  4. 書式を選ぶ →OK

結果:B4(名古屋店 450000)、B7(仙台店 520000)が色付きになります。

ちょうど40万円・60万円も含まれる(以上〜以下)のがポイント。


「文字列を含む」を試す

文字列での条件指定もできます。

:::excel
A1=商品
B1=金額
A2=コーヒー
B2=400
A3=アイスコーヒー
B3=450
A4=紅茶
B4=350
A5=コーヒーゼリー
B5=500
A6=ケーキ
B6=600
:::

商品名に『コーヒー』を含む行だけ、色を付けたい」というケース。

手順:

  1. A2:A6 を選択
  2. 条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「文字列を含む
  3. コーヒー と入力
  4. 書式を選ぶ → OK

結果:A2(コーヒー)、A3(アイスコーヒー)、A5(コーヒーゼリー)が色付きになります。

文字列を含むで強調
文字列を含むで強調

これは在庫表やリストの中から 特定キーワード を含む行を素早く見つけたいときに便利です。


「重複する値」で重複チェック

データクレンジングで重宝するのが「重複する値」。

A列で重複している値だけ、色を付けたい」というケース。

手順:

  1. 対象範囲を選択
  2. 条件付き書式」→「セルの強調表示ルール」→「重複する値
  3. 重複」または「一意」を選ぶ
  4. 書式を選ぶ → OK

重複」を選べば 2回以上出てくる値 に色が付き、「一意」を選べば 1回しか出てこない値 に色が付きます。

この名簿、IDが重複してないかな?」を、目視ではなく 自動で見つける ── これは間違い探しの時間を劇的に減らしてくれる機能です。


「上位/下位ルール」を使う

もう1つ、よく使うのが「上位/下位ルール」のメニューです。

  • 上位10項目:トップ10にだけ色を付ける
  • 上位10%:上位10%にだけ色を付ける
  • 下位10項目 / 下位10%:その逆
  • 平均より上:平均値を超えるセルに色
  • 平均より下:平均未満のセルに色

「上位10項目」というメニュー名ですが、入力欄で 3 にすればトップ3、5 にすればトップ5 と、自由に変えられます。

売上ランキングのトップ3を強調表示」など、レポート用の表で重宝します。

上位3項目を強調
上位3項目を強調


「平均より上」は便利

平均より上」「平均より下」も、シンプルなのに便利な機能です。

  • 平均的な数字よりも目立つもの」をパッと知りたい
  • 報告資料で「全体の傾向と比較してどの店舗が良い・悪い」を見せたい

このような場合に、計算式を別途立てなくても、1クリックで平均比較ができる のが嬉しいポイントです。


設定後の確認と編集

設定した条件付き書式は、後から確認・編集できます。

ルールの管理:

  1. ホームタブ →「条件付き書式」→「ルールの管理
  2. 書式ルールの表示」で「このワークシート」を選ぶ
  3. シート上のすべてのルールが一覧表示される

ルールの管理
ルールの管理

  • ルールを 編集:選択 → 「ルールの編集」
  • ルールを 削除:選択 → 「ルールの削除」
  • ルールの 適用範囲を変更:適用先の入力欄を直接編集
  • ルールの 優先順位を変更:上下矢印で順番を入れ替え

条件付き書式が増えすぎてカオスになった」── そうなったときは、まずこの「ルールの管理」を開いてください。この機能も便利なのですが、Excelエントロピー増大の法則 を加速させる性質がありますね。


解除する方法

設定を解除するには、

  • 特定のセルだけ解除:セルを選択 →「条件付き書式」→「ルールのクリア」→「選択したセルからルールをクリア
  • シート全体から解除:「ルールのクリア」→「シート全体からルールをクリア

最初から条件付き書式が大量に設定されたファイル」を受け取ったときは、「シート全体からルールをクリア」で一気にリセットして、必要な分だけ作り直す ── という運用も実務的でしょう。


注意点

条件付き書式を使うときに気をつけたい点を3つ。

① 重ねすぎない

条件付き書式は重ねがけできますが、ルールが多くなると ファイルが重くなり、見た目もごちゃつきます。全員がコントロールできる範囲での条件設定を心がけましょう。

② コピペで広がる

条件付き書式がかかったセルをコピー&ペーストすると、貼り付け先にも条件付き書式が伝染します。気づかないうちに「シート全体に条件付き書式が散らばっている」状態になりがちです。

③ 削除しないと残る

行や列を削除しても、条件付き書式のルールは 「適用範囲」として残り続ける ことがあります。ルールの管理 で定期的に整理しましょう。


まとめ

  • セルの強調表示ルール」:以上・以下・範囲内・文字列を含む・重複など
  • 上位/下位ルール」:トップ10、平均より上、など
  • 設定の確認・編集は「ルールの管理」から
  • ルールが増えすぎると 重く・分かりにくく なる
  • 解除は「ルールのクリア」で一括 or 個別

次回は、より視覚的な カラースケール。表全体を ヒートマップ のように見せる、レポート映えする使い方を紹介します。


ショートカット

※このレッスンに対応するショートカットはありません。

次のLessonへ Lesson 082 条件付き書式について②