複合グラフの作成
LEVEL 10 の締めくくりは、複合グラフ です。種類の違う2つのグラフを、1枚に重ねて見せる技ですね。
これまで棒・折れ線・円・積み上げと作ってきましたが、複合グラフはその合わせ技です。「単位もスケールも違う2つのデータを、同時に見せたい」ときに、とても役に立ちます。

複合グラフが得意なこと
複合グラフがいちばん活躍するのは、単位の違う2つのデータを並べて見たい ときです。
代表例が、気温と降水量 です。気温は「℃」、降水量は「mm」。単位もスケールもまったく違いますが、この2つを1枚のグラフで見ると、「暑い時期と雨の多い時期の関係」が見えてきます。
今回は、常夏の国 シンガポール の、1年間の気温と降水量のデータを使ってみましょう。

まずは作ってみる
手順:
- 上のデータ(月・気温・降水量)を選択
- 挿入タブ →「複合グラフの挿入」→「ユーザー設定の複合グラフを作成する」
- 降水量を 棒グラフ、気温を 折れ線グラフ(第2軸) に設定
降水量を棒で、気温を折れ線で重ねると、それぞれの動きが1枚で見えてきます。


カギは「第2軸(だい2じく)」
複合グラフでいちばん大事なのが、第2軸 です。
このシンガポールのデータ、気温は29〜36の範囲、降水量は120〜380の範囲です。もし同じ軸(縦軸)に両方をのせると、数字の大きい降水量に引っぱられて、気温の線はグラフの下のほうで、ほぼ真横に潰れて見えてしまいます。
そこで、気温を 第2軸(右側の軸) に移します。左の軸を降水量用(0〜400mm)、右の軸を気温用(0〜40℃)と分けてあげると、両方の変化がちゃんと見えるようになります。
「単位が違うデータを重ねるときは、片方を第2軸に」。これが複合グラフの基本です。

グラフから読み取れること
できあがったグラフを見てみましょう。
降水量の棒に注目すると、11月から12月にかけて、グッと跳ね上がっている のが分かります。特に12月は380mmと、ほかの月の2〜3倍です。
このグラフを見ると、「シンガポールは11月から雨期が来て、雨がたくさん降るんだな」と読み取れます。データが教えてくれる、立派な気づきです。
でも、グラフだけでは分からないこともある
ここで、少しだけ私の体験談を。
このグラフを見ると「12月は雨ばかりで、観光は大変そう」と思うかもしれません。ところが、実際にシンガポールに行ってみると、印象がずいぶん変わります。
シンガポールの雨は、だいたい12時から15時くらいに、決まって降ることが多い です。スコールのようにザッと降って、しばらくするとやみます。
ですから、一日中雨が降り続けているわけではなく、その時間帯を避けて予定を組めば、観光のストレスはほとんどありません。
このグラフは「月ごとの合計の降水量」は教えてくれますが、「1日のうち、いつ降るのか」までは教えてくれません。同じグラフでも、実際にその場を知っているかどうかで、読み取れる深さがまったく違ってきます。
グラフはとても強力な道具です。
でも、グラフの数字と、現場の肌感覚。この2つが組み合わさったとき、はじめて本当に役立つ情報になります。データを読むときは、「この数字の裏には、どんな現実があるんだろう」と想像してみてください。
それが、データを扱う人の腕の見せどころです。

まとめ
- 複合グラフは、単位の違う2つのデータ を1枚に重ねるグラフ
- 作り方は データを選択 → 挿入タブ → 複合グラフ
- スケールの違うデータは、片方を 第2軸 にのせると両方が見える
- 気温と降水量のように、関係を見たいデータ同士の組み合わせに向く
- グラフが教えてくれることには限界があり、実体験と組み合わせて 深く読む
これで、LEVEL 10「データを魅せる」は完結です。
データバーから始まり、条件付き書式、ピボットテーブル、そしてグラフまで。数字を「見せる」「魅せる」技を、ひと通り身につけていただけました。お疲れさまでした。
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